LIGHTNING STRIKERS : START 02-06



 ※ 今回の話には残酷な描写が含まれますので、苦手な方は閲覧される場合ご注意ください。


 ●



 キャロ・ル・ルシエがエリオ・モンディアルと邂逅することができたのはまったくの偶然だった。

 フェイトと別れた後、彼女は衝動に突き動かされるように病院から飛び出し、エリオの姿を求めて周囲を彷徨った。
 アテがあったわけではない。落ち着いて考えれば他に探す方法はいくらでもあったのかも知れないが、今のキャロに冷静になる余裕など欠片もありはしなかった。

 彼女はただ闇雲に森の中へと踏み込み、エリオの姿を探し回っただけだ。
 途中、幾度か監査部の制服を着た男達の姿を見かける度に迂回を繰り返し、その結果キャロは意図することなく森の奥へと迷い込んでしまっていた。
 だが、キャロはそこで偶然にも木々の奥で佇むエリオの影を見つけ出すことができたのだ。

 ――いた、エリオ君が、いた!

 遠目ではあったが、その姿をキャロが見間違えるはずが無い。そんな彼の姿を見て胸の奥から安堵が沸くのをキャロは感じる。 

「エリオ……くん!」

 彼の名を呼ぶ、それだけで涙が溢れそうになってくる。湧き上がる感情そのままにエリオの名を叫ぶキャロ。
 だが、同時に思いがけない事が起こった。

 エリオはその場に蹲ったかと思うと、急激に苦しみ始めたのだ。漏れ出す苦悶の声がはっきりとキャロの耳朶にも届く。
 何が起きたのかを理解する暇は無かった。キャロは意識せぬままにその場からエリオの下へ向けて駆け出し始める。降り注ぐ雨の所為でぬかるんだ地面に足を取られ、転びそうになるが必死に駆けるキャロ。

 そうしてエリオの元に辿り着いたキャロだったが、彼はいまだに苦しげに伏せたままだ。

「エリオくん、大丈夫! エリオくん!?」

 そんな彼を介抱するべく、キャロがエリオの顔を覗き込もうと膝を突く。


 その瞬間――――だった。


 派手な殴打の音が夜の森に響く。

 キャロの小さな身体は、その一撃にあっさりと吹き飛ばされ、ぬかるんだ大地に弾き飛ばされる。
 突然の出来事に、彼女は受身さえ取れずに地面に倒れ伏す。

 ――――え?

 しかし何が起きたのか、当の本人である彼女には理解することが出来なかった。
 ただ頬が痛む。じんじんと響く痛みが後からどんどん膨れ上がってくる。
 だが、そんな痛みより何よりも、キャロは今起こった出来事を信じることが出来なかった。
 だから、その思いを隠すことなく、キャロは傍らに居る彼を見上げた。

「その名前で、ボクを呼ぶな……」

 そこには、苦痛に顔を歪めながらも、瞳の奥に憤怒という言葉すら霞むほどの怒りの色を浮かべるエリオの姿だけがあった。

 この場には他に誰もいない。

 だから、キャロを殴り飛ばした者は一人しか考えられなかった。
 けれど、キャロはそんな当たり前の事実を信じることが出来ない。

 ただ、それが嘘であればいいと縋るかのように、呟く。

「エ、エリオくん……?」
「オマエみたいなのが、その名前でっ、ボクをっ、呼ぶなぁっ!!」

 悲痛な叫びの声と共に、今度はエリオの足が、蹲るキャロに向けて放たれた。
 蹴りの一撃は、正確にキャロの腹部へと突き刺さる。
 痛みよりも前に、鈍い嘔吐感がキャロを襲う。肺に溜まった空気を無理やり押し出されるかのような衝撃に呼気を漏らすキャロ。

 身体を支えることさえできず、ずるずるとその場に崩れ落ちる。襲いくる鈍い痛みとあまりにも突然の事態に、彼女はただ縋るような眼差しのまま彼を見上げることしかできなかった。

 そんなキャロに、慈悲無き暴力が更に降りかかる。
 同じ箇所に、同等の威力を持って、蹴撃が再び見舞われる。
 それによって、絶えることの無い痛みがキャロを襲い続けた。

 もはや、キャロは立ち上がることも出来ず、エリオの暴虐に反抗する術も無かった。
 それでも、それでもキャロはたった一つのことを諦めようとはしなかった。

「エリ、……オ、く……ん」

 痛みに掠れる声で、キャロはその名を呟く。
 もはや、言葉として成立していないその音を聞き届け、エリオの相貌は更に鬼気迫るものへと変化する。

「呼ぶなッ! そんな目で、そんな声で、ボクの名前を呼ぶんじゃない!」

 振るわれる暴力は、更なる嵐となってキャロを襲った。
 倒れ伏すキャロに、馬乗りになり、素手のままエリオはキャロの顔面を殴打する。

 何度も、何度も、何度も、何度も――。

「その名前でボクを呼んでいいのは、父さんと、母さんだけなんだっ!!」

 怒号とともに、振るわれる拳。それはもはや、暴力ですらない。
 それは、ただの破壊だ。

 気に食わない存在を、認めることの出来ないその存在を、根底から滅ぼそうとする破壊活動でしかなかった。
 だが、その地獄のような時間も無限に続くわけではない。
 暫くの時を経て、暴虐をようやく終わりを見せた。

 後に残ったのは、荒い息とともに肩を上下させ、血塗れになったその両手を見詰めるエリオの姿。

「ハ…………ハハッ」

 満足げな、笑い声が彼の口から漏れる。
 不快でしかないその名を呼ぶ、煩わしい存在を黙らせることが出来たことに喜悦を覚えるかのように。


 けれど――


「――――――」


 キャロの唇が動いた。
 もはやそれは音にさえならない。ただ唇を僅かに震わせただけの行為でしかない。
 だが、エリオは見た。
 見てしまった。彼女が震える唇で、何を紡ごうとしたのかを。


「うわあああああああああああああああっっ!!」


 悲鳴のような叫びが、雨の降る夜空に響き渡った。
 そして、エリオは再び拳を振り上げ――


 ●


「そこまでです」


 唐突に、背後から投げかけられた声と共に振り上げられたエリオの手が誰かに掴まれた。

 エリオは構わず握り締めた拳を振り下ろそうとするが、まるで固定されているかのようにビクともしない。
 だから、彼は忌々しげに背後へと振り返った。

 そこには先程の戦闘により隻腕となったリニスが残った左腕一本でエリオの手首をしかと掴んでいた。
 彼女はエリオを見下ろしたまま静かに呟く。

「彼女は既に気絶しています。これ以上の暴虐は許しません」
「放せっ! 邪魔をするなぁッ!!」

 感情を剥き出しにしたまま叫ぶエリオ。そんな彼の叫びと同時にリニスは握りしめていた掌をあっさりと開いた。
 シュピーゲルによって、強制的に主従関係を結ばれている今のリニスはエリオの命令に逆らうことはできない。
 だから、彼女は言われるがままにエリオの腕を手放した――ただ、彼が無駄な力を籠めて、体制を崩すタイミングを見計らって、だ。

 その結果、突然の解放にリニスの拘束を引き剥がすべく腕を振りまわそうとしていたエリオはたたらを踏む形となり、その場に転げるように倒れる。すぐさま立ち上がろうとするが、再度襲いかかってきた頭痛にこめかみを抑え表情を歪める。襲いくる吐き気によってまともに息することも叶わず、エリオの喉から漏れるのは喘ぐような音だけだ。

「落ち着きなさい。急激な魔力消費による過負荷オーバーロードです。ゆっくり、すこしずつ呼吸を整えなさい……」

 そんな悶え続けるエリオを諌めるように、傍らに立つリニスが声をかける。その声が届いたかどうかは定かではないが、やがて彼の呼吸は少しずつ平静を取り戻し始めた。
 やがて、エリオがゆっくりと身を起こす。先程までの怒りに我を忘れたような感情はなりを潜め、瞳には理性の光が戻っている。ただ頭痛はまだ続いているらしく、表情は顰められたままだ。

 彼が視線を上げるとリニスは倒れたままの少女の傍らに膝を付き、怪我の容態を見ている様子だった。暫く彼女は無言のままその姿を見つめた後、痛々しげに表情を歪め目を伏せる。

「この少女をどうするつもりですか?」

 背中を向けたままリニスの固く強ばった声がエリオの下に届く。こちらを責めるような、そんな声音だ。

「無抵抗の彼女をまた殴りますか? 邪魔はしませんよ、そういうご命令ですから」

 挑み掛かるかのような挑発的な言葉を続けて投げかけてくるリニス。そんな彼女に対し未だに断続的に続く頭痛と併せ、エリオは苛立ちに似た感情が湧いてくる。

 ――気に入らない。

 それがエリオのリニスに対する第一印象であった。
 結局エリオはリニスの問いかけに答えることなく、視線を逸らすように彼女の傍らを見つめた。そこには倒れ伏す少女の姿がある。ここからでは大半がリニスの背に隠され、足の先しか見えないが彼女が起き上がってくる様子は無い。

 そう思い至ったエリオの奥底から湧き上がった感情は――安堵であった。

「くっ…………ははっ、はははっ」

 ――よく知りもしないあの少女に、馴れ馴れしく名を呼ばれるのは溜まらなく不快だった。

 だから、彼女がもう口を開かないと解ると同時に、薄い笑みが自然と漏れるのが解った。
 その音はリニスの耳にも届いたのだろう、彼女は怒りの表情を浮かべエリオの方を振り返り――そこで不審そうに眉根を寄せた。怒りの感情は霧散し、変わりに彼女はエリオに問いかける。

「怯えて……いるんですか?」

 そこには己の身を浅く抱くように腕を組み、肩を震わせるエリオの姿があった。噛み合わない歯の根から漏れる吐息が、まるでぎこちない笑い声のように辺りに響いている。
 リニスの問いかけの言葉にも、彼は短い悲鳴を上げ距離を離すように後ずさる。その姿は明らかに迫りくる何かに怯えているようにしか見えない。

 ――なんだ、これ?

 震えのとまらぬ自分の掌を見てエリオは疑問の声を脳裏であげる。
 エリオに浮かんだ感情とはまったく逆の反応。それに一番驚いたのはエリオ自身だ。

 自分が、何に対して怯えているのかがまったくわからない。
 不愉快な言葉は消え、頭痛も時を追うごとに治まっていく。それなのに、なにを自分は怖がっているというのだろうか?
 知らぬ間に、自分は大切な何かを失ってしまったのだろうか。もはやそれすら彼には解らない。

 だが、確かに覚えていることもある。必ずやり遂げなければならないことがある。

「そうだ……ボクは、父さんと母さんを……」

 奥歯を強く噛み締めて、身体の震えを無理矢理に止める。
 もっと強く心を持て、と自分自身に言い聞かせる。
 恐怖も、後悔も、過去も、すべて漆黒に塗りつぶしていく。この先にあるはずの幸せの為に。
 そう、自分に言い聞かせるエリオ。

 しかし、リニスから見た彼の姿は必死で恐怖に耐えようと歯を食いしばる子供にしか見えなかった。
 そんな彼になんと声をかけるべきか、一瞬迷ったのか彼女はその小さな身体に手を差し伸ばそうとして――

「おや、これはいろいろと予想外の事態だね」

 突然、ひょうひょうとした第三者の声が響いた。
 瞬間、リニスは身を回すようにしてエリオと声の主の間に割り込んでいた。
 主人の身を守るべき使い魔としての習性か、もしくはこれもまたシュピーゲルによって繋がれた歪な主従関係の発露か、リニスはエリオを守るかのように片腕のまま身構える。

「何者ですか、身分と目的を述べなさい」

 油断せぬまま強い口調で問いかけるリニス。そんな彼女の視線の先にいたのは危機感をまるで煽ることのない、人畜無害そうな男だった。

 頬のこけた痩せぎすの男で、身長そのものは高いのかもしれないが酷い猫背で随分と小さく――正直に言うなれば脆く見える男だった。白衣を着ていることから学者かなにかなのかもしれないが、それでも荒事に適しているとは到底言い難い。吹けば飛ぶように姿をしている。

 丸眼鏡の向こうにある糸目は弓のようにしなり、柔和な笑みを浮かべたままだ。ただ、その奥からちらりと覗く瞳がリニスの姿を上から下までじっくりと観察するように眺めていることが解る。
 やがて彼は、リニスの問いに答えぬまま「ああ」と何かを理解したかのように頷いた。

「なるほど、シュピーゲルによって作られた記憶結晶体か。なるほどなるほど、こいつはよくできてる」

 しきりに感心したように男は暫く頷いた後、改めてリニスの姿を観察するようにじっと見据える。
 こちらの問いかけに答える気は無いらしい――そう、判断すると同時にリニスはまるで躊躇することなくフォトンランサーの一撃を放つ。

 スフィアの展開と同時に放たれた光刃の一撃はリニスが狙ったとおりに、男の頭の横を素通りし、頬を皮一枚だけ切り裂く。そこから血の滴が滴り落ちてきている――紛うことなく殺傷設定である。
 そんなリニスの威嚇というには些か度を過ぎた一撃に男は微動だにしない。リニスの攻撃を見切っていたわけではなく、ただ単に身動きがとれなかっただけだろう。
 証拠に男は次の瞬間、サッと表情を青く染め大きく後ずさりしながら大げさに叫きはじめた。

「ひ、ひえっ!? な、なんですいきなり……恐ろしいなぁ!?」
「何者かと、聞いているのです」

 明らかに危険という言葉とは遠く離れた雰囲気の男ではあったが、リニスが油断する様子は無い。今も彼女の横にはすぐに次弾が放てるようにとフォトンランサーのスフィアが展開され続けている。脅迫の意味合いも込められているのかもしれない。
 低く告げられるそんなリニスの言葉に、男は大人しく両手を小さく挙げて告げた。

「何者かって言われてもねぇ……強いて言うなら、そう、味方だよ。ね、エリオ・モンディアルくん」

 そう、男は親しげにエリオに語りかけた。
 まるで長年彼と付き添った旧友であるかのように、馴れ馴れしく。

「……トーラスおじさん」

 そして、リニスの背後でエリオも彼の名を呼んでいた。何かに縋るかのように。
 そんな彼の言葉にトーラスと呼ばれた男は楽しげに頷いた。

「おかえり、エリオくん」


 ●

 それから暫くの時間が経った。
 もはや舞台から役者は立ち去り、そこはなんの意味も無い場所でしかない。
 それでも、新たな人影がゆっくりとその場に現れた。
 足を引きずるようにして、その場に現れたのはボロボロのバリアジャケットに身を包むフェイト・T・ハラオウンだ。バリアジャケットと同等かもしくはそれ以上に彼女自身も疲弊しきっている。

 いまだに先程受けたダメージは回復の兆しすら見せることない。いやそれどころか、彼女は無理を押し通して前へ、前へと歩き続けているのだ。もはやいつ倒れてもおかしくは無い。

 それでも、彼女は歩き続ける。

 その先に、自分の大切なものが、守りたいものがあると信じて。
 だが、ようやくの事でこの場に辿り着いた彼女が見たものは、この場にいるはずの無いもう一人の大切な存在の――

「なん……で?」

 酷く、傷ついた姿だった。
 病院に残してきたはずのキャロがそこに倒れている。その事実にフェイトは絶望の感情をそのまま音にしたかのような呟きをもらす。

 だがしかし、そこに倒れ付しているのは本当にキャロなのだろうか?
 着ているものは確かに先程キャロが着ていたものと同じかもしれない。だが、その顔が。酷く傷つけられ、腫れ上がったその顔を見て、それがキャロ・ル・ルシエという名のあどけない少女であると断言できる者が果たしてどれだけいることだろう?

「キャロ……!」

 しかし、フェイトはすぐにそれが誰なのかを理解することができた。いや、理解できてしまった。

 悲痛な叫びをあげ、彼女はキャロの元に駆け寄ろうと走り出す。だが、その意思に傷ついた肉体は付いていくことができない。強く一歩を踏み込んだところで膝が崩れ、フェイト自身もその場に倒れ付す。
 彼女の全身から苦痛の信号が発せられ降りかかる痛みに表情を歪めるが、それでもフェイトは這うようにキャロの方へとにじり寄る。

 フェイトはキャロに病院で待っているようにと言い含めた。しかし、それが無為であることなど考えればすぐに解った筈だ。突然消えてしまったエリオをキャロが探しにいかないわけがないのだ。今の自分と同じように、きっと探しに行く筈だったのだ。
 けれど、フェイトはそこまで思い至ることができなかった。彼女自身エリオを助けなくてはならないと焦り、キャロの当然の行動を予測することができなかった。

 その結果が今目の前にある現実だった。

「キャロ……くっ、うぅ……キャロ……」

 痛みに耐えるようにフェイトはキャロの名を呼ぶが、完全に意識を失っているのか彼女からの返事は無い。
 知らず、フェイトの瞳からは涙が零れ始めていた。

 痛みによるものではない。ただ自分があまりにも情けなくて、涙が流れた。

 結局、フェイトは何一つ守ることができなかった。
 エリオを必ず連れて帰るという約束を守ることもできず。
 保護者として守るべき存在であるはずのキャロを守ることもできず。
 まして、自分自身の身すら守れてやしない。

 大切なものを何一つ守れない弱い自分が情けなくて、惨めで――涙が溢れる。

 ――けれどフェイト、貴方はどうしようもなく弱い。

 リニスに告げられた言葉が脳裏に蘇える。
 彼女の言うとおりだと思った。
 どれだけ強くなろうとも、自分はあまりにも弱すぎた。

『こっちだ! 誰かいる……負傷をしているみたいだぞ!』

 エリオに家族ではないと言われた時、大切な家族だと言ってあげることができなかった。

『――こっちの女の子も酷い怪我だ。おい、救護班を呼べ!』

 リニスが自分の前に立ち塞がった時、彼女を傷つける勇気さえ持つことができなかった。

『返事はできるか? もうすぐ救護がくる。それ以上動くな!』

 キャロが傷つき倒れ伏している時に、助け起こしてあげることさえできない。
 それ以上動くなと誰かに掴まれ、それ以上前に進むことさえできない。
 すぐ目の前に、大切な人がいるのに。守ってあげなくちゃいけない存在がいるのに。

 今は伸ばした手すら届くことは無く、ただ宙を掴むことしかできない。

「――――ッッ!!」

 泣き叫ぶかのように、フェイトは残された最後の力を使って喉を震わせる。
 だが、その声すら空を裂き大地に落ちた雷の轟音に、あっさりとかき消されてしまった。

 ――嵐が、近づこうとしていた。

 ●

 ――以上が、エリオ・モンディアル事件にて記された公的記録の全てである。

 これ以降、エリオ・モンディアル及び彼の所持していた古代遺物は完全に消息を絶つ。
 なお、関係者からの証言及び提出された証拠品からエリオ・モンディアルは死亡もしくはそれに準じた状態であることが認められている。

 今もって、彼の行方は不明のままである。

 ●



 そして、事件は終わる。悲しみだけを残して、不幸な結末だけを残して。
 だが――物語は終わらない。
 エリオ・モンディアルという名の少年と、運命の物語はここから始まる。


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