星を砕く者 番宣 爆裂スターボンバー! パロディ編



「ごきげんよう」
「ごきげんよう」
「今日もいいお天気ね。キャロさん」
「ええ、本当に。絶好の訓練びよりですわ。スバルさん」
「うふふふふ」
「あはははは」
「あ、見てキャロさん。なのはお姉さまよ!」
「あっ、ホントですわなのはお姉さま! ごきげんよう」
「ごきげんよう皆さん――あら、スバルさん?」
「は、はい。なんでしょうなのはお姉さま!」
「ふふふ、リボンが曲がっていてよ」
「あっ、そんな! なのはお姉さまが手ずからなんて!?」
「一流の魔導師たるもの、服装にも常に気を配るのよ。いいわね」
「は、はい! お姉さま!」
   
 さわやかな朝の挨拶が、澄みきった青空にこだまする。
 なのは様の訓練場に集う魔法少女たちが、今日も天使のような無垢な笑顔で、背の高い門をくぐり抜けていく。
 けがれをしらない心身を包むのは純白のバリアジャケット。
 スカートのプリーツは乱さないように、白いセーラーカラーは翻さないように、ゆっくりと戦うのがここでのたしなみ。もちろん、遅刻ギリギリで走り去るなどといった、はしたない魔法少女など存在していようはずもない。
 機動六課魔法少女学園。
 新暦75年創立のこの課は、もとは古代遺物の回収のためにつくられたという、伝統ある魔導師養成機関である。
 ミッドチルダ湾岸部。海鳴の面影をどこか残している緑の多いこの地区で、なのはさまに見守られ、魔法少女からいくつになっても魔法少女までの英才教育が受けられる乙女の園。
 時代は移り変わり、無印からタイトルが三回も改まった戦記の今日でさえ、頭を冷やされれば一撃必倒の激戦区育ちの純粋培養魔導師が肝入りで出荷される、という仕組みが未だに残っている貴重な学園である。
 彼女――、ティアナ・ランスターもそんな平凡なお嬢さまの一人だった。
   
「って、どこよココ!? ていうか、なんなのよコレ!?」
「ふふふ、ごきげんよう。ティアナさん」
「いや、ごきげんようって……なにこれ、なんでこんな事になってるのよ?」
「えーっと、それが。部隊長がとあるライトノベルにハマっちゃって六課全体がこんな事に……」
「いや、それにしても影響されすぎでしょう!?」
「まぁ、ティアナさんったら大声を出して……はしたないですわよ。ふふふ」
「いや、なのはさんもフフフじゃなくて――もうなんなのよコレ!?」
   
「ここは魔法少女の園。機動六課」
「これはここ機動六課で過ごす魔法少女達の物語」
「青春学園ストーリー『なのは様がみてる』C76にて好評発売――」
   
「うわあっ!? 偽情報流して読者を混乱させるのはやめてください!!」
「ぼ、僕達ストライカーズが活躍する熱血バトルアクション小説。『星を砕く者<下>』コミックマーケット三日目、ユ-13bにて好評発売予定。みなさん、良ければ買ってくださいね……そ、それじゃあ、ご、ごきげんよう」
   
 ●
   
「押忍! 機動六課四和悪弩(ふぉわあど)組突撃隊員! スバル・ナカジマです。押忍!」
「押忍! 機動六課四和悪弩(ふぉわぁど)組召喚隊員! キャロ・ル・ルシエです。押忍!」
「そして私が機動六課部隊長! 八神はやてである!!」
「押忍! 部隊長! おはようございます!」
「さて、ここで突然ではあるが機動六課名物『裏裏狩☆真剣狩(りりかる☆まじかる)』を執り行いたいと思う!」
「なっ! 裏裏狩☆真剣狩!? まさかまだこの時代に受け継がれていたとは……」
「知っているのか、スバル!?」
   
 説明しよう!
 裏裏狩☆真剣狩とは魔法少女二人がそれぞれお互いの首に真剣狩首無(まじかるねっくれす)と呼ばれる繋がれた鉄輪をつけ、けして逃走する事の叶わぬ死闘を行なう魔法少女的遊戯である。
 その名の通り、表技としてではなく魔法少女の裏側として秘中の秘とされてきたが、その起源は遡れば古代ベルカ四千年の歴史に既に登場しており、かの聖王陛下もこの遊戯において百戦無敗を誇ったとされる記述がある。
 民明書房刊『魔法少女遊戯大全』より
   
「だから何よコレ!? 民明書房ってなんなのよ!?」
「押忍! 四和悪弩(ふぉわあど)組筆頭隊員! ティアナ・ランスターさん。おはようございます!」
「誰が筆頭だ。誰が」
「前回ので味をしめた部隊長が、こんどは違う漫画を参考に色々変えたらしいんですけど」
「いや、だから変わりすぎでしょ!? 方向性が百八十度違うじゃない!?」
「私が機動六課部隊長! 八神はやてである!」
「というか、部隊長はそのポジションでいいんですか!? 本当にいいんですか!?」
   
「押忍! ここは魔法少女を磨く場所、機動六課!」
「押忍! これは機動六課で巻き起こる友情と戦いの物語!」
「私が機動六課部隊長! 八神はやてである! 『魁!!機動六課』は大増5000ページに良心価格100円で好評配布――」
   
「だからっ、嘘情報を流すなー!?」
「星を砕く者<下>は新書サイズ288ページ、価格1200円で配布予定です。お釣りが足りないかもしれないので、みなさんご協力お願いしますね……お、押忍!」
   
 ●
   
「サーイエッサー! 自分はスバル・ナカジマ二等陸士であります。サー!」
「さーいえっさー! 自分はキャロ・ル・ルシエ二等陸士であります。さー!」
「わ、わたしが訓練教官のフェイト先任隊長です……は、話しかけられた時以外は口を開いちゃいけません!」
「え、えっと口で……口でそのえっと、ク、ク……お喋りする時はsirと付ける様に! わかりましたか、え、えっと……虫さん達!」
「サーイエッサー!」
《sir.Yes sir.》
「だ、ダメです! もっと大きな声で――そのえ、えっとタ、タ……って、始めからついてません、そんなの!?」
「さーいえっさー!」
   
 貴様ら雌豚どもが私の訓練に生き残れたらなの―――
    各人が魔法少女となるなの。デバイスに祈りを捧げる魔法の少女なの
 その日まではウジ虫なの!次元世界上で最下等の生命体なの!
 貴様らは魔法少女ではないなの!
 両生動物のクソをかき集めた値打ちしかないなの!
 貴様らは厳しい私を嫌うなの、だが憎めば、それだけ魔法少女になれるなの
 私は厳しいけど公平なの、ツインテール差別は許さないなの、凡人、二丁拳銃、幻術使いを、私は見下さないなの。
 すべて――平等に魔法少女なの……!
   
「もはやツッコむのも面倒くさいけど、これ後半はともかくフェイトさんはどう考えても人選ミスじゃないかしら」
「ノーサー! フェイト教官は素晴らしい教官でありますサー!」
「やかましい」
「あ、あははは……け、けど、顔を赤くしているフェイトさんはかわいいですよね」
「…………」
「え!? あれ!? 軽蔑の眼差し!?」
「お、お喋りしちゃダメだってばぁ! む、虫さん達!!」
「あの……フェイトさんもイヤならイヤって言った方がいいですよ?」
   
「サー! ここは一人前の魔法少女となる為の場所ですサー!」
「サー! 機動六課は一年後に解散! つまり「永遠なんてないよ」でありますサー!」
「も、もっと大きな声をだしてください! えと……夏のコミケでは新刊が二冊。「フルメタルびびっと」の方もよろしくお願いします!!」
   
「もう、本当に疲れたわ……」
「あ、新刊二冊はホントですよ? 星を砕く者<下>に加え、季刊魔法少女リリカルvol.1を60P、500円にて配布予定! みなさん宜しければ二冊纏めて買ってあげてください、サー」
   
 ※誠に申し訳ありませんが、諸事情により、
  『なのは様がみてる』
  『魁!!機動六課』
  『フルメタルびびっと』
  以上三点の配布は中止となっておりますのでご了承下さい。
   
   
 オマケ
 フェイト教官とスバル二等陸士による、楽しいお歌のコーナー!!
   
「そ、それじゃあ私の後についてきてください……」
「サーイエッサー!」
「マ、マーマとパーパはベッドでゴロゴロ……」
「マーマとパーパはベッドでごーろごろ♪」
「マ、マーマは転がり、こう言ったぁ……」
「マーマは転がり、こう言ったぁー!!」
「お……おねがい、ほ、ほほほ、ほしいの……」
「お願いっ! 欲しいのーっ!」(意味が解ってない
「しご……ぃ……て……」
「しごいてぇー!」(やっぱり解ってない
「お、おまえによし!」
「おまえによしっ!」
「私によし!」
「私によしっ!」
「うんよしぃっ!」(やけくそ
「うん、よしっ!!」
「うわーん、これセクハラだよぅ!!」(涙目
「うわーん、これ(略)」(楽しげ
   
   
「……これ、フェイトさんにセクハラしたかっただけなんじゃないの?」

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